「元気の花」の育て方 〜精神疾患のある中学理科教師が考える、幸せの秘密〜

はじめに

みなさんは今、元気ですか?

元気だと自信を持って答えられる方はとても幸せです。「まあまあかなぁ」とか「元気がない」と答える方も、実は多いのではないでしょうか。では元気の基準はどうですか。

私は精神疾患があることも関係していて、毎日、5段階評価で今日一日の気分を手帳に書いています。5が一番高い状態、1が一番低い状態で3が普通です。みなさんはこの基準でどの数値が元気だと考えますか。

昔の私なら「4以上かな?」と感じていたでしょうが、今は3で充分だと思っています。もしくは2だったのが2・5くらいに上がれば、充分元気になったのだと思います。

「3は普通なのにそれで元気なの?」と思いますか?「普通が一番幸せ」という言葉がありますが、普通の状態というのは実は分かりにくいものです。普通というのはあたりまえの状態ですが、あたりまえは人それぞれ違います。

私にとっては非日常的な高級レストランでの夕食が、あたりまえな人も大勢いるでしょう。そういった人からすると、私の毎日では元気に過ごせないのかもしれません。

しかし、今置かれている状態で満足しなければ、欲しいものや叶えたいことは増えていくばかりです。そのこと自体は決して悪いことではありませんし、むしろそういった夢や希望が元気につながります。

ただし、そればかりに目を向けていると、うまくいかなかった時の悲しさや無力感が生まれてきます。そうなるとだんだん元気ではなくなってしまいます。

だから時には立ち返り、今のあたりまえの中にある幸せを、見つけていくことも大切だと思います。元気か元気でないかは、自分が決めるバロメーターのようなものです。

この本を手に取った方は「今はちょっとしんどくて、今よりちょっと元気になりたい」と感じている方が多いと思います。そんな方にとって少しでも役に立てればうれしいです。

私は「きみこ#」といいます。本名、きみこです(ひらがなではありませんが)。本を執筆するにあたり、教員であることなどから本名をフルネームで出すことについては、いろいろ問題がありました。しかし一方で自分の伝えたいことを読者の方に読んでいただくのに、実名を出さないのは何か違うのではと思いました。