出会い
あいさつをして、会いたいと思った
もう一度、あなたに会いたいと思った
あなたの中から湧き出す、言葉の泉に触れたいと思った
でも もうそれは かなわないのかもしれない
目を見て、笑いたい
声を聴いて、優しい気持ちになりたい
あなたの明日に、わたしも加わりたい
ただそれは 奇跡か 夢の中か
もう、何日も眠れない
ここがどこか、わたしにはわからない
最後に笑った日を、思い出せない
冷たい風が、背中をかすめてゆく
混とんとしている この世も 人間も そして何より わたし自身
そうだ、目をつむってしまおう
耳をふさいでしまおう
この世のすべてを忘れられれば、そうすれば
会いたいと思った ただひたすらに 会いたかった
彼女
少ないもので満たされた部屋
彼女の存在が 彼女の感覚が 残された部屋
鼻をくすぐる 懐かしい匂い
許すことでしか変えられない
その真実を知っていても
やっぱり 僕はうつむいてしまう
いろいろと分かり合えなかったふたりだけれど
あの時間は確かに存在した
一緒に歩いた 木の葉の舞う遊歩道
陽の光があたって きらきら光る
風に舞い上がる 軽やかな枯れ葉
どこまでも 楽し気に響く ふたりの声が重なる
平和な午後の片隅で
ふたりの行き先を示していた 遠い空の暗雲
やがて嵐を連れてくる暗雲の存在を知っているのは
ふたりの足元をかすめる 風だけだった
軽やかに落ち葉を舞い上げる 風は
知らんぷりして ふたりの背中を追い越した
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