この後、5年生から学童が終了して下校後ひとりで過ごす次男が心配で、6年生になる時に、実家の会社の近くに移り住み、何かあればすぐにでも飛んでいける距離になり、子供もひとりで実家に来られる距離になって仕事にも集中できるようになった。

そして長男も一緒に住めるようになった。

浅草まで歩いて20分ほどで行かれる所だったので、休みの日は子供とよく散歩に出かけた。

下町に戻ってからは車も手離してよく歩くようになった。駅も近く、電車が便利になった。

娘の通う専門学校も通いやすくなった。

次男は6年生での転校だったので心配したが、転校先の学区域の小学校の担任の先生や生徒たちが温かく迎え入れてくれてすぐになじんでくれて「ホッ!」とした。

学区域の小学校までは子供の足で20分はかかる。ある日、次男が学校の帰りにトイレにいきたくなって、家までとても我満ができそうもないので、知らないお宅のドアをノックして、お手洗いを借りたことを聞いた。おばあちゃんが居て、快く貸してくれたという。

お手洗いから出てお礼を言うと「僕、学校の帰りかい。お茶とお菓子を食べていきなさい」と言って麦茶とおせんべいを出してくれたので「おしゃべりしながらごちそうになったよ」と息子が嬉しそうに話してくれた。

平成の下町も昭和の名残があった時代かもしれない。知らないお家をノックした息子、快く貸してくれておやつまでごちそうしてくれたおばあちゃん。見知らぬ人とのこの信頼関係は今ではすっかり消えてしまった光景だろう。あとから「おばあちゃんに改めてお礼を言いに行ったよ」という息子の言葉に胸が温かくなった。

 

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