二度目の結婚で何とか離婚だけは避けたいと思っていたが、夫の両親や義妹も協力してくれて離婚した。その後もわたしたち家族をあたたかく見守ってくれている。義父は亡くなられたが、90歳を過ぎた義母と義妹は今も元気だ。
感謝をしてもしてもしきれない。しかし、この時の元夫は離婚してから10年後に病にかかり他界した。
とにかく今まで受け身の人生だった。故に、ことごとく崩れて行った。
自分の意志で地に足をつけて生きて行かなければ……。
新しい生活と子供たち
昼間働きながら大学二部に通う長男は通学に便利な実家の祖母の家に下宿をし、高校生の長女と小学2年生の次男との生活が始まった。
子供たちも大きくなっていたので、一度目の離婚の時とは精神的にも体力的にもかなり違った。子供たちも不安感から解放されたようで明るくなった。
穏やかな時間が流れ始めた……。
しかし、この時代がエアポケットのように記憶が消えているのだ。
大変だったことや辛かったことは鮮明に覚えているのに……。
はっきりと記憶に残っていることは、高校3年生になった娘の高校の二者面談に行く時に車で行かずに小回りの利く原付バイクで行ったとき、慣れない原付で車の多い国道の右折で、右手を動かす癖が出てしまい、交差点の真ん中で前輪が上がってしまった。
まさしくウイリーだった。「うわっ! 怖い!!」思わず右手を離した。
停止する直前でのことだったので前輪もすぐに元に戻り、無事に右折できて事なきを得たが。この時以降、原付に乗ることをきっぱりとやめた。