日記はだれに書かれているか
日記はだれに書かれているのであろうか。日記に使われている敬語によって、日記を書いている相手が、身分の高い人であることがわかる。現行日記の文章の中に、丁寧語「はべり」が多用され、下二段活用の謙譲の「たまふ」が使われている。
「はべり」の用例をいくつか挙げる。
扇にはづれたるかたはらめなど、いときよげにはべりしかな。(一四三)
いとどかかる有様、むつかしう思ひはべりしか。(一七二)
あはれに、思ひよそへらるることおほくはべる。(一八四)
いかにぞやなど、すこしもかたほなるは、いひはべらじ。(一八九)
髪は、見はじめはべりし春は、丈に一尺ばかりあまりて、(一九二)
日記に使われている下二段活用の「たまふ」の用例は、次のようなものである。
のちにぞ御盤のさまなど見たまへしかば、(一二六)
よからぬ人のいふやうに、にくくこそ思うたまへられしか。(一九三)
この見たまふるわたりの人に、かならずしもかれはまさらじを、(一九四)
いと心づきなく見ゆるわざなりと思ひたまへて、(二〇五)
いまはただ、かかるかたのことをぞ思ひたまふる。(二一一)
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