冒頭は何日か

冒頭は八月何日であろうか。日記に日付が書かれるのは「八月二十余日のほどよりは」であるから、それ以前は八月十九日までの出来事である。冒頭から八月十九日まで何日の記事であるかによって、冒頭の日付がわかる。冒頭から次のような記事が書かれている。

①ある秋の夜の土御門邸~しだいに夜がふける。

②その夜の彰子の有様。

③さらに夜がふけて、五壇の御修法(みすほう)が行われて、夜が明ける。

④早朝の道長との女郎花(おみなえし)の歌のやりとり。

⑤頼道のいる夕暮れ。

⑥播磨守の碁の負けわざ。

①から④は一続きであると考えられ、⑤も同じ日の夕暮れであるとすると、①から⑤ までは二日の出来事であると考えられる。⑤が次の日の夕暮れであるとすると三日の出来事になる。碁の負けわざは、洲浜が残っているので、一日か二日のことだと考えられる。①から⑥は、三日から五日の出来事であると考えられ、冒頭は八月十五日から十七日のいずれかであると考えられる。

「藤袴」の柏木を描く場面は、八月十三日の記事に続くもので、柏木の姿を照らす月は、八月十五夜の月だとされている。艶なる空の日記冒頭もまた、八月十五日から書かれているのではないだろうか。冒頭が八月十五日であれば。八月二十六日までの記事があるので、八月の日記は、十二日間のものとなる。