5章 今、やらなくてはいけないことは何か
では個人としては、どうすれば良いのか。考えなければならないのは、退職後の生活の貧困を回避し、生涯にわたり経済的にゆとりある暮らしを求める欲求を満たすことです。
まずは、経済面で暮らしに欠かすことのできない、知っているようで知らない公的年金と健康保険の基本を知ることです。
何歳まで働けば、いくら受給できるのか、個人ごとに異なる年金見込み額を、シミュレーションする必要があります。
注意すべきは、サラリーマンには55歳で年収3割減など、一定の年齢になると年収が減少する役職定年制度があります。
若手人材の起用戦略であるポストオフの仕組みから、50歳以上では、年収が2割~4割減になる場合もあります。
公的年金は、老後生活を送る上でのかなめですので、受給できる金額はいくらなのか、ケースバイケースで予想を立てて把握して下さい。
政府は、公的年金の給付水準を示す指標である所得代替率を、50%以上に維持することを目指すとしています。
所得代替率とは、年金を受け取り始める時点の年金額が、現役世代の手取り収入額と比較してどのくらいの割合かを示すものです。所得代替率50%とは、現役世代の手取り収入の50%を年金として受け取れるということです。
年金額を把握し、自らの希望するライフスタイルでは、公的年金以外で、いくら準備すべきか目星をつけて下さい。
つぎに、資産形成のための3つの投資、2つ目の、持続可能なゆとりある暮らしに向けた経済的資産への投資です。
国内需要が減少し、長期的に成長期待が低下する環境では、多くの人は、退職後に備えた資産を形成する必要があります。
世界へ投資するということは、世界の成長企業という経済のエンジンの活躍に期待することです。
世界の成長企業が、アニマルスピリッツを発揮して成長することで、生産性は向上し、就業者一人当たりの付加価値額も上昇します。
人口減社会の危機に向き合うために、資産形成にむけて、貯蓄から株式等のリスク資産への投資へ意識を転換します。
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