人類は三次元空間認識能力を霊長類から引き継いだ
霊長類は樹上生活を送っており、樹木の枝の位置を正確に把握する高度な三次元空間認識能力を有していた。
人類は霊長類から進化をとげて生まれたが、この三次元空間認識能力は人類の脳の中にも引き継がれた。私たちの脳では、目から入った情報は、脳の視覚野で処理される。視覚野は三層の階層構造になっている。
V1~V3と名付けられていて、V1野から順番に情報が処理され、目から入ってきた情報が何であるのかを認識している。最初のⅤ1野では、一本の線分ごとの長さや傾きなどの単純な形を認識し、V2野では、それらを結び合わせて複雑な図形を作り上げ、V3野ですでに学習している図形と比較して、目が捉えた入力情報は、例えば顔とか車とかを認識していくのである。
私たちの脳では、「細くて長い線分」を、最も基本的な情報として捉えているのである。さらに、人類の脳では、「細くて長い線分」を組み合わせていろいろな図形を作っている。
そのような能力がインプットされている人類に、自然にある「細くて長い形」をした物を組み合わせて複雑な物を作る知恵が授かったのではないだろうか。
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