1988年1月1日 ㊎ 元日

いたずら始め。FFストーブのスイッチを入れたり消したり、みかんを投げたり、カセットのテープをあっと言う間に引っ張り出したりで、母「ホントお腹が痛くなるよ。少しおとなしいとつい安心して目をそらしてしまい、大変なことに」。

1月2日 天気は快晴~10日

小さなすべり台で鬼ごっこ。けいたがあわててすべり台に顔から突っ込み、ゴザで顔をこすってすり傷で大泣き。泣き止んだかと思うと、座椅子の陰で、こそこそひとりでなにかしている。のぞいてみるとみかんの皮を半分むいたところ。内緒をみつかってキャーキャー言って洗面所に逃げて行った、ゆかいなこと。

1月11日~15日 成人の日

けいたは月曜病か、時折玄関を指さして「ぱっぱー」と、悲しそうにさけぶこと5回。父が帰ると目は涙でぬれている。ダッコしそれから寝るまでの1時間半がけいたと遊ぶ時間。

寝る時には、ふとんの中に頭までもぐりこみ、やおら頭をむくっと出して、自分で「でたー」。

おはなしやうたで寝付くまで、父の腕枕で渓太はまどろんでいる。他愛のない大事な時間。

父がゴミ捨てに行った冷たい手で、けいたの両頬をはさんだら「ちめたーい」。

夕食時にいたずらをたしなめると、けいたが右手で父の手をたたいた。父もけいたの右手をたたいた。けいたが左手で父をたたいたので、父もけいたの左手をたたいた。けいたがかなしそうに父の胸にしがみついてきて泣いた。

けいたがはじめて父をたたき、父がけいたをたたいたこの日、小さいけどこの痛みを決して忘れない。けいたは1歳5か月、自分でみかんの皮をむき、くずはゴミ箱に入れるようになっていた。

1月16日 ㊏~21日 ㊍

父が新聞を読み始めると、けいたがやってきて、両手で新聞をすくいあげてしまう。それから新聞の上に、べたっと座り込む。母「けいたにとって新聞はライバルね」。