いじめ解決率の高いクラス員

なぜ生徒が仲介者にふさわしいのでしょうか。仲裁者とは争いの当事者以外の第三者で、間に入って和解(仲直り)に導く人のことです。じつは、問題解決率が高いのがこの友人タイプ(学級ならばクラス員)の仲裁者です。

理由として、クラス員は当事者と同年齢ですし、背格好も大差はなく、おたがいの性格や交友関係もよく知っています。かれらはおなじ教室で、おなじ服装におなじ教科書と机でおなじ授業を受けます。給食時間はおなじメニューで、「いただきます」と「ごちそうさま」といっせいに行動します。

いじめ問題でも、クラス員は被害者と加害者ともに顔見知りで、集団生活のなかで日常どのような言葉を交わし、どのような行動をとっているかを目の当たりにしています。

何よりも大きな被害を受けるのは、クラス員です。教室でいじめが発生すれば、クラスの雰囲気は悪くなり、重苦しい空気が充満し、人間関係はギクシャクしてきます。だれもが気を使って生活するようになり、教室から笑い声はなくなります。だれだって、そんなところで過ごしたいなんて思いません。問題解決への真剣さの度合いが、格段に大きいのがクラス員なのです。

    

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