2-1-2

 

【訳】

寂しくてやしきの外に出てみたが秋の夕暮れの訪れでどこも寂しそう

【歌人略歴】

良暹法師(りょうぜんほうし) 生没年不詳 。平安中期の僧、歌人。比叡山(天台宗)の僧で祇園別当となり、その後大原に隠棲し、晩年は雲林寺に住んだといわれる。長暦2年(1038)の「権大納言師家歌合」などいくつかの歌合せに出詠している。歌は『後拾遺和歌集』以下の勅撰和歌集に入集している。

2-1-3

 

【訳】

吉野の山に秋風が吹き抜けて寒さもそろそろと忍び寄り衣を打つ(柔らかくしたり光沢を出す効果がある)音も寂しく響いてくる

【歌人略歴】

参議雅経(さんぎまさつね) 1170-1227年。飛鳥井雅経(あすかいまさつね)。平安末期から鎌倉前期にかけての公家、歌人。『新古今和歌集』の撰者の一人。鎌倉幕府の招きによって鎌倉へ度々下向し、3代将軍になった実朝と藤原定家、鴨長明との間を取り持っている。『新古今和歌集』(22首)以下の勅撰和歌集に132首が入集している。

家集に『明日香井集(あすかいしゅう)』がある。