第二章 やまとの自然の姿が引き起こす様々な想い

第1節 さびし

見捨てられたやしき跡の秋の寂しさや、人目の少ない山里の晩秋から冬にかけてのもの寂しさ等を歌います。

 

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【訳】

雑草の生い茂るやしき跡

人の訪れもなく寂しいけれど秋の気配だけはしっかり訪れてくる

【歌人略歴】

恵慶法師(えぎょうほうし) 生没年不詳 。平安中期の僧、歌人。962年頃より歌合せなどで活動した記録がある。家集に『恵慶法師集』がある。三十六歌仙の一人。