一方、メスはオスの行動を素知らぬ顔をし、中にはあらぬ方向を向いたポーズをするメスもいます。だが、あらぬ方向を見ていたメスですが、一方でオスの行動をよく観察していて、伴侶となるべくオスを選んでいるのが分かります。オスの奇妙な叫びと行動、メスの素知らぬ顔。
このオスとメスの一連の光景は、子孫の継続に繋がっており、それなりに合理的な行為になっているのが分かります。成長したオスとメスの分離行動も一時期が過ぎれば、大部分は、また元の集団化生活に戻ります。
だが、動物の中でも他の動物を餌にして生きる強い野生動物は、集団化では思うように餌に有りつけないようになります。これを受け野生動物は、基本的に集団でなく、オスとメス、或いは家族単位での生活を行っています。
人間も動物ですが、人間は生態的に弱い動物の部類に入ります。弱い人間ですが、成長した若者は、親許から分離独立する前に学び、考えて自己の完成を目指す努力をします。そして結婚すれば、大部分の男女は親許に戻る事もなく、新しく自分たちの生活をスタートさせます。
動物は、本能で生きています。一般的にオスとメスは、本能に基づき一時期集団から離れた行動を取りますが、子供を得た後は、多くの動物は元の群れに戻り、集団化して生きます。
人間は弱い範疇の動物ですが、成長して結婚した男女は、親許に戻ったり、集団化して生きる事も余りありません。考え乍ら自分に相応しい生き方や家族単位で生きます。
この人間の一連の行動は、人間が本能だけでは飽き足りない人生になる事を物語っています。「考え乍ら生きる」ここに人間の人間たる由縁があり、人間の「特性」があります。
家族ドラマには日本人の幸福が映っている
コロナ禍で過ごした私たちは、外出を控え自宅でテレビや携帯を見乍らの生活を強いられていました。私はその中で動物の生態が映し出されたドキュメンタリーを興味を持って見ていましたが、一方で家族ドラマがよく再放映されている事にも、気付いていました。
家族ドラマはいつも同じタレントが出演し、同じ場面や身近な話題をネタにドタバタを繰り返す内容になっている事から、私はマンネリを感じ、家族ドラマを見たいという気持ちが湧いてきませんでした。
コロナの渦中、一般的に日本のテレビは旅行番組、特に海外の旅行番組が少なくなっていましたが、私の友人のイギリス人は、日本でテレビ放映されている内容を見て「日本のテレビは天気予報と食べ物や歌手が唄う歌謡曲、そして家族ドラマが多い」と言っていました。
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