京都Ⅰ編
空海を訪ねて 2017年10月11日(水)~ 13日(金)
西明寺(さいみょうじ)
西明寺は川音しか聞こえない静かな山寺である。本堂には釈迦如来(しゃかにょらい)、千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)、愛染明王が祀られている。本尊釈迦如来は運慶(うんけい)作と伝わる。運慶作と学者が認めているのは31体という。果たしてどうであろうか。
山門西明寺を出て、さらに清滝川沿いを高山寺へ進む。
高山寺(こうさんじ)
高山寺は杉木立(すぎこだち)に囲まれた山寺である。表参道より入り、金堂、明恵上人御廟(みょうえしょうにんごびょう)、仏足石(ぶっそくせき)、開山堂(かいさんどう)と巡っていく。楓の紅葉はまだ早い。歌が頭に浮かび、思わず口ずさむ。
京都 栂尾 高山寺 恋に疲れた女が ひとり 大島つむぎに つづれの帯が 影を落とした 石だたみ*
*日本音楽著作権協会(出)許諾第2305696-301号これはデューク・エイセスの『女ひとり』(永六輔作詞、いずみたく作曲)
で、もう半世紀以上昔に流行った京都を舞台にした曲である。
石水院(せきすいいん)(国宝)に入る。石水院には鳥獣人物戯画(ちょうじゅうぎんぶつぎが)(国宝)の一部を縮小複製したものが展示されている。
中学生の頃だったか、教科書でこれを初めて見た時、平安時代の漫画として興味を引かれたのを覚えている。― ― 数年後、東京国立博物館で鳥獣人物戯画の本物4巻の展覧会が催されたのだが、残念ながら拝観する機会を逸(いっ)してしまった。
石水院拝観後、裏参道を下って「栂ノ尾」バス停へ。京都駅へのバスを待つ。
京都駅に戻り、京都ならではの湯葉や豆腐料理の夕食を済ませ、タクシーで今夜の宿に向かう。数寄屋造りが売りの宿は円山(まるやま)公園の林に囲まれ静かな所だが、その分、日当たりが悪いのか布団は湿り、部屋はかび臭かった。