10月12日

宿から徒歩で祇園四条駅へ、京阪線で出町柳駅へ移動し、ここで叡山線に乗り換え鞍馬駅へ向かう。今日は鞍馬寺を訪ねる。

鞍馬寺(くらまでら)

鞍馬山の南面に広がり、牛若丸こと源義経が修行した地としても知られる鞍馬寺は豊かな自然を残している。山内を徒歩で金堂、不動堂(ふどうどう)と巡り、奥の院まで行く。

仁王門(におうもん)をくぐり参道を由岐(ゆき)神社へ。さらにつづら折りになった参道を本殿金堂へ上っていく。

金堂に祀られている本尊「尊天(そんてん)」は非公開である。尊天とは毘沙門天(びしゃもんてん)、千手観音、護法魔王(ごほうまおう)の三身が一体になったものという。

金堂を出て、霊宝殿(れいほうでん)を見送り山道へ入る。山道をしばらく上って下れば不動堂、そして義経堂が建つ。

不動堂で般若心経(はんにゃしんぎょう)を唱え「南無大聖(なむだいしょう)不動明王」と結ぶ。後ろで参拝していた女性に「ありがとうございました」と礼を言われ恐縮(きょうしゅく)する。

義経堂には奥州平泉で非業(ひごう)の死を遂げた源義経が祀られている。「遮那王(しゃなおう)尊として魔王尊のおそばにお仕えしている」と記されていた。

また山道を上って下って、しばらくして奥の院魔王殿(まおうでん)に着く。奥の院への山道に歌碑が立っていた。

〈つゞらをり まがれるごとに 水をおく やまのきよさを 汲みて しるべく〉 香雲

山道は貴船へと下っていくが、私は奥の院に合掌し、来た道を霊宝殿へ戻る。