第一部
自殺未遂を繰り返した日々
「あ、今日死のう」と突然ふっと浮かび、その途端とても心が平穏になり、冷静かつ頭がクリアで、ドラッグストアへ寄りカミソリを買い、家族が寝静まった後に家の風呂に湯を溜め、計画を実行した。しかし、意外と人間というのは思っているよりも簡単には死ねないのだと知った。テレビドラマのワンシーンのようにはいかないのだ。
それからも、何度も自殺未遂を繰り返し、精神薬の薬を大量に服薬してみたが、目が覚めたら病院のベッドの上で、意識が戻り目を開くと病院の天井が見えた瞬間、
「あぁ、また私、死に損なっちゃったのか……」その言葉しか浮かばなかった。
私の場合、薬の大量服薬の後は、いくら早めに病院で処置をしていても、処置が遅れたとしても死には至らなかった。意識が戻ってからの数日間は、身体は鉛のように重だるく、意識はあるけれどどこかボーッとした状態が続くのだ。
死んだら哀しむ人だってきっといるとか、生きたくても生きられない人もいるのに贅沢だとか、頭では分かってはいるのです。
生きたくても生きられない人がいるのなら、私の命をあげられたらいいのにと馬鹿みたいに吠えていたときもあった。
神様は不平等だとか、この自分の健康体を、病気で苦しんで生きたいと願っている人と交換できたら私も役に立てるのにと思った。
でも哀しいことに、現実は誰も人生を代わってはくれない。