第一部
出逢い
私が心を切り捨て人形のようになり楽になってきた、13歳の夏。
夏休みに、父がパソコンを買い、インターネットもできるようになり、私は夏休みに軽い気持ちで、メル友募集の掲示板に書き込みをした。
《メル友》というのは、当時の流行りのようなものだったので、好奇心でそれに乗っかってみただけだったが、その時、初めてメールをしてきたのが、一樹だった。
互いが、初めてのメル友だった。
まさかこんな形で、こんな出逢いがあるなんて、誰が予想しただろう。
私は、ひょんなキッカケで彼と出逢い、私の思い出したくもない、暗黒のような長い日々が、それから21年の時を経て変わっていったのだから不思議だ。他のメル友は長くは続かなかったが、一樹とのメールだけは続いた。毎回お互い長文で、夏休みということもあって毎日メールのやりとりをした。
やりとりの内容は、当時私は母に話していた。
そして、一か月ほどメールのやりとりをした夏休みの終わり頃。
「一度、会って話してみたいね」と一樹からメールがきたことがキッカケで、私たちは会うことになった。