第1章 直面する課題の概略~人生100年時代前夜
6.第2の人生こそ、人間力が問われる
また第2の人生の主たる非正規労働は、スキル中心の有期雇用契約なので、第1の人生の主たる正規労働とは違い、キャリアパスもないし、マネジメント要件も通常付与されない。
これらの特徴があるからこそ、個を軸にしたキャリア、より個が輝く生き方ができるのだと、前向きに意識することは、あてがいぶちのない世界、途轍もない世界の労働キャリアを考えていく際の重要なマインドセット(心構え)になる。
また第2の人生の非正規労働という形態は第1の人生の主流である正規雇用とは違ったメリットもあるのだ。まず職務が明確で、ジョブディスクリプション(職務記述書)があり、いわゆる職務固定型のジョブ型雇用※1である。
私の経験では、第2の人生での労働キャリア遂行には非常に重要なスタンス、マインドセットがあるように思える。それは一言で言えば「プレイングマネージャー」というワードである。
プレイングとは職務能力があり、期待役割が果たせる人、マネージャーとは職業能力があり、立ち居振る舞いがうまくできる人、という意味である。すなわち、実務能力があり、自己マネージメントができる人、このバランスがある人ということになる。
このマネジャーの意味は他人を管理することではなく、自分を管理、文字通りキャリア自律するという心構えであり、非常に重要になる。
第2の人生の労働キャリアは第1の人生の労働環境よりも、より交流の年齢の幅が広くなり、多種多様な年齢のキャラクターの中での仕事になる。
その中での、企業側から期待される労務キャリアの役割、ミッションに関しては、企業にとって如何に利益が出せるかのスキルと、企業にとって如何に自己マネージメントの効いた立ち居振る舞いができるか、すなわち如何に企業に対してプレイングマネージャーになれるかということが喫緊に問われるのである。
ここまで人生100年時代の第2の人生の個が輝く時代において、その真ん中に位置付けるフェーズは、働くことであると言及してきた。では第2の人生で就業を獲得する方法、プロセス、法則、プログラム等はどのようなものか? プログラムは下記の如くである。