姉妹から商売について何度か相談を受けたが、〝ぼつぼつ廃業したらどうか〟と進言していた。ただ、彼女たちから商売を取り除けば何も残らないので可哀そうなことになる。彼女たちも両親の犠牲者と思っているが、本人たちがどのように思っているかは知らない。私は自我の獲得により、父とは異なる道を切り開いてきた。
私にとって自我の実行は重い決断だが、商売の手伝いをしながら勉強をする道を選ばざるを得ない。初めて算数と理科を学ばねばと本気で思い、勉強をしなければならないと決意した。しかし、この道は私の一番苦手な道であり、勉強も宿題もしたことがない。
学力も最低のレベルからの出発となった。科学が好きだから学ぶのではなく、学ぶべきだとの使命感に襲われた。それでも、6年生頃から、算数の予習をするようになった。
先生の質問に初めて手を挙げた。Y先生は5年生からの持ち上がりで広瀬の馬鹿が手を挙げたので驚かれ、直ぐに私を指名した。その後も次々と問題を出され、私を指名された。幸い、予習をしていたので全て答えることができた。先生は全く勉強ができないと思っていた生徒が急に手を挙げて全ての問題を解いたので驚かれた。
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