1-4-3
【訳】
たとえ夜通し鳥の鳴き声で擬装しても
あの堅牢な逢坂の関は決して通してもらえないでしょう
それと同じように私も簡単にはあなたに気を許しませんよ
【歌人略歴】
清少納言(せいしょうなごん)966年頃-1025年頃。平安時代中期の女流作家、歌人。一条天皇の時代、女房として中宮定子に仕えた。随筆『枕草子』は平安文学の代表作の一つ。中古三十六歌仙の一人。
1-4-4
【訳】
淡路島に渡る千鳥の鳴く声に
須磨の関守は幾夜と知れず夜中に目が覚めてしまう
【歌人略歴】
源兼昌(みなもとのかねまさ)生没年不詳。平安時代中期から後期にかけての歌人。官位には恵まれず従五位下・皇后宮小進に至るがその後出家。『金葉和歌集』『詞花和歌集』『千載和歌集』『新勅撰和歌集』『新千載和歌集』の勅撰和歌集に和歌が計7首入集している。家集は伝わらない。