「このマンションはメグ・マンションっていうから先生のじゃないの?」カナが言ったら、「やっぱ、そうなのか」ってカナパパ、頷いている。
受付の彩さんが、両面に、先生の名前と病院のいろんな連絡方法、それにいろんな施設の案内が書いてあるA4のパンフレット一枚と、診察券を渡してくれた。
人間六人と猫一匹、という何とも不釣り合いな構成見て、彩さんが、
「あれ、カナちゃんも一緒?」
「実はあたしたち、従姉妹なんです」
「だから同じ苗字だったのね、それにやっぱりあなたたちちょっと似てるわ」
後ろの二組の夫婦を見て、「ああ、失礼いたしました。ご両親様ですね、どうぞどうぞお座りください。しばらくお待ちくださいね」って、何故、親まで来たかなんて聞かずに通してくれた。
小さい声であたしに、「お父さんたちはそっくりね」って。やっぱり、あやって名前の人には優しい人が多いんだ。
予約の十五分前、待合室に入るとあたしたちと違って、パパ、ママたち、壁に貼られている先生二人と、責任者たちの写真と資格をじっくり見ている。
パパが、「受付の彩さんは会計担当で税理士資格も持ってる、凄いな」
「何で朱美さんの写真ないんだろう」ってあたしが言ってるのに、カナパパなんて関心は先生だけ。名前見てニヤニヤしてる。
前の診察終えたメグ先生に、彩さんが呼びかける。さっそく先生やって来て、人数見て、「おっ」と絶句。
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