【前回の記事を読む】「こんな料金でいいんですか、今までのお医者さんは…」と言おうとしたら、イケメン獣医は「この料金、むしろぼったくり」と…
あたしとカナ パパ、ママ二人ずつ
「でも、あなた、税理士なんてすごいのね」ってママが言ったら、
「メグの二つ下なんです、家庭教師じゃないのに、ずっと勉強教えてくれたんですよ。学校とか市の図書館行けば、ほとんどいましたから。お陰でメグと同じ高校に行けて、会計士、税理士になる時もいろいろ教えてもらったんです」
「先生は獣医学部でしょ?」
「何でもできる人なんです。高校の時にはもう公認会計士の資格とったり、今は動物だけじゃなく他の資格もいっぱい持ってます。私、いわゆるリケジョで、数学が好きだったんです。親には理工系なんてやめておけ、と言われたんですが、『どうしてやりたいこと簡単に諦められるのかなあ』ってメグに言われちゃって、それで」
「あなた奥さん?」
「いえいえ、朱美っていう人がいますから」
待合室にはユーチューブで動物の動画、音楽はピアノで昔ながらのポップスが耳障りにならない小さな音で流れている。
パパが彩さんに、「診察室からすごいシステムですなあ」と言ったら、
「私、経理なんて言ってますけど、このレジ、売上から仕入れ、出入金、給与計算、在庫管理も、決算までできるんです。ショップとか、みんな会社になっているんですが、数字を打ち込むだけで、所定の書類が出来上がるんですよ。申告の時は税理士の私は確認して、サインするだけなんですよ」って彩さんが言う。
「どなたに依頼されたんですか」ってパパが聞いたら、
「メグですよ、ここは予約から、私たちとバイトさんたちのシフトまで、メグの作ったソフトで動いてるんです。この病院を作る時に、大学の先輩と相談して作ったんですって」
「メグ先生、システムエンジニアとしても、プログラマーとしても食っていけますよ」。
電機メーカー勤めのパパ、興奮しきり。