メグ先生の一日
メグ先生の日常は規則正しい。遅くとも十二時には寝て、六時起床なんだって。
朱美さんとベランダの花と野菜に水遣りして、野菜収穫してパッと水洗いして、マヨとかお手製のドレッシングかけて、納豆にトーストとコーヒーで食事して、七時には入院してる子たちを診て、シェルターの子たちや、運動が必要な入院してる子はドッグランに放す。
ご飯あげて、中・大型の保護犬はチャチャとリードに繋いで朱美さんと病院の周りを走る。それから開院。
自宅で何してんだか知りたくて一回聞いたら、
「久松から帰るのが七時頃でしょ。それから朱美と話したり、勉強したり、ゴン・チャと遊んだり。テレビはほとんど見ないな、ラジオはつけっぱなしだから。寝る前の三十分くらいで体操とか、お風呂とか入って、次の日の予定を確認したり。久松から戻ってから寝る前の四、五時間で、いろんなことしてるよ。朱美も何かしらしている。お裁縫が上手いんだ。寝具とかも作れる。
休みの日は時間がたっぷりあるから、いろいろ計画するんだ。朱美も時間刻みで動くのが好きみたいで。朝、たっぷりゴン・チャやシェルターの子たちと遊んで。チャチャ連れて、走ってる時に話し合って、だいたいその日のスケジュールが決まる。
隣の畑を手伝いに行ったり、勉強したり、本読んだり、どこへ出かけるとか、テレビで映画を見るとか、あのお店行きたいとか、最近は百円ショップかな?」
九時開院、基本はネットや電話の予約制で、先生二人の空き時間はホームページで分かるし、一度来た飼い主さんにはラインでも送る。一匹当たりの診察時間を多めに取って、飛び込みの患者さんが来ても、対応できるようにしてる。
でも、ホームページで予約入れてきても、必ず病院から電話で確認する。
「コールセンターみたいに人の声が聞けるまで時間がかかるようじゃ、飼い主さんに悪い。ここは病院なんだ。動物の生死にかかわることもある。とにかく早くこちらの声を聞かせること。
それに送信専用でこれには返信できませんなんて失礼なメールがあるけど、うちはどんなところからもアクセスできるようになってるからね。
受付の彩たちは大変だけど、頼むな。とにかく丁寧に。こんな時代だから、肉声で素早く丁寧に。診察内容だったら、俺と高橋君が代わるから。卵でも簡単なことは答えられる」って何度も念を押して。今は彩さんが朝礼の時にスタッフに話してる。
ペットを亡くした飼い主さんには、半年に一回「お元気ですか?」なんて簡単なメールや手紙も送る。「遊びに来てください」とか、ペットロスにならないように。そんなことも、メグ先生が作ったスケジュールソフトに入る仕組みになってる。
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