仙台虚空蔵山大満寺縁起
十二支霊場丑寅守護・仙台虚空蔵尊は仙台市太白区(たいはくく)向山(むかいやま)愛宕山(あたごやま)西側に鎮座された虚空蔵大菩薩で、大満寺住職が別当(べっとう)として管理運営とともに全ての行持を勤めさせていただいております。
令和三年、四年は私が住職として初めて迎えた丑寅年の当年 (あたりとし)でございました。虚空蔵堂は安土桃山期から江戸時代初期の代表的仏堂建築として大梵鐘とともに仙台市指定有形文化財となっております。
令和四年には改修工事を行った安土桃山式と伝えられる大変貴重な虚空蔵堂内の厨子(ずし)も御開帳され、諸願成就、無病息災、円満成就の菩薩さまとしてマスメディアの取材等のご縁もあってコロナ禍であったにもかかわらず、過去最高といえるほどの大勢の御参詣の方々を全国からお迎えをいたしました。
その虚空蔵大菩薩の功徳(くどく)の根源とはいかなるものなのかといえば、虚空とは大宇宙のことであります。大宇宙を宝蔵として無限の智慧と慈悲を私たちに分け与えてくださる、その大きな宝蔵から参詣者に必要な物を取り出して分け与えて正しい歩みを導いてくださる菩薩さまであります。
そして一〇八の煩悩の中でも三毒と言われる(貪り、怒り、愚かさ)から離れる修行を私たちと共に勤めてくださる菩薩さまなのです。毎月十三日は虚空蔵尊の縁日となっており、その十三に因み「十三詣り」といって男女が十三歳になると美しく着飾り菩薩さまの智慧をいただきに参詣する習慣がございます。
またいつの頃からか、その御利益から仙台虚空蔵尊は東北最大の「がん封じ寺」と呼ばれるようになりました。