小説 『人生を失い、それでも女は這い上がれるか』 【第11回】 杉山 成子 妻が300万は使った、「お姫さま扱い」するエステ…施術後もセレブ気分で、ワインとつまみに7、8千円使うようになり… 【前回の記事を読む】休日に「私は留守番」と言う妻に違和感…帰ってくると、家が酒臭い。家中調べると、大量の酒瓶が出てきて…治美は、ぽっちゃりしていて、愛くるしい目が印象的な三十六歳。背が低めでもあるせいか、年より四、五歳は若く見える。彼女はアルコール依存とあわせて、エステ依存もあった。恵子はエステ体験がなく、どんなところなのか、想像もつかなかった。「一度行ったら、ハマるよ~」と治美はいう。「顔とか…
小説 『標本室の男[注目連載ピックアップ]』 【第10回】 均埜 権兵衛 夜中の診察室で、鍵もカーテンも閉めて、二人きりに。「そういえば君は、男と女…どっちなんだい?」 【前回の記事を読む】休暇中、診察室の中を看護師たちに見られてしまった…「先生も変な趣味よねぇ」汚いだの不気味だのと罵られて…彼は暫し愁い顔になった。だがつっと立ち上がると、「じゃ皆さん、あとをお願いしますね」と言って出ていった。残った者は怪訝な顔で彼の後姿を見送った。「どうしたのかしら、院長先生変だったわ」主任が首を傾げた。「そうねえ、何か言いたそうだった」「何だったのかしらねえ」若い二人はお茶…