10か月後、パートナーは江東区から私の住むシニア向け住宅のすぐ近くに越してきてくれました。知能のIQだけでなく感情面のEQも高いので、老後を共に過ごすには「願ったり、かなったり」のパートナーです。

「人生には上り坂、下り坂、まさかがある」といわれています。私は運命とか偶然、自分の力ではどうにもならないことを“神様”のせいにしていますが、英語にはこんな表現があるとタンゴの仲間が教えてくれました。

A coincidence is God’s way of remaining anonymous.

これはアインシュタイン博士が相対性理論を思いついた時の有名な言葉です。ふとした偶然で思いついた発見が、意図したわけではなかった、神の計らいだったことを述べたものです。

何度も大きな困難に出会いながらも、何とかそれを乗り越えてこられたのは、目には見えない神様の計らいのおかげだと思います。

いい“人々”に出会い、心の支えにして生きてこれました。私には、そして私達家族には、それぞれのミッションがあると思えてなりません。

こうして本を出すことにより、生きることの勇気と希望を、少しでも、“誰かさん”に与えることができたなら、心底嬉しく思います。

第一章以降は、その時々に私が感じていたことをできるだけリアルにお伝えしたいと思い、生活の中で書き溜めたエッセイをあえて当時の記述のまま書き記します。

時系列がバラバラだったり重複している箇所もありますが、少しでも、同じような境遇にいる方の力になれたら幸いです。

【前回の記事を読む】結婚後も東京→アメリカを転々とする生活に終止符を打ち、タンゴ発祥の地ブエノスアイレスへ

 

【イチオシ記事】配達票にサインすると、彼女は思案するように僕の顔を見つめ「じゃあ寄ってく?」と…

【注目記事】長い階段を転げ落ち、亡くなっていた。誰にも気づかれないまま、おじさんの身体には朝まで雪が降り積もり…