第三章 病気との付き合い方
大腸癌発見
止まっちゃだめ、間違えても続けること。話しながら、続けましょ。あっ、ちょっと、ホールドが崩れたわ。
なにより、あらかじめ決まったステップではなく、その時その時に先のことを考えるアドリブなのが新鮮だ。そして、この日もブルースを何曲か踊る。これは、人生に通じるなぁと思う。小さなステップを続けながら、フロアを回っていくのである。曲が続く限り止まることなく。それも、常に次のステップは何にしようと考えながら。
これはまさに、人生そのものだ。命のある限り、止まらないで進んでいかなければならない。いろいろなステップを踏みながら、ところどころでは、コーナーがある。
ダンスが終わって、別れる前にツーショットも撮ってもらった。その後、退院してからだったが、組み立てると舞台のようになるグリーティングカードを送ってくれた。実物は残っていないがアルバムには写真が貼ってある。
入院―手術
外科病棟は一番奥。自分のベッドに案内される。私が今日の担当ですという、感じのいい看護師さんが現れる。入院中、この人に一番多く当たって本当に親切にしてもらった。白衣の天使とはよく言ったもので感謝してもしきれない。
手術のアシスタントの若い医者も挨拶に来た。インターンかもしれない。いきなり、アメリカの生活が長かったのですかと聞かれた。私が外科部長に出した手紙を読んだのだろう。
その後、ヒゲもじゃの内視鏡専門医もやってきた。入院中毎日の回診を含め、ずっと面倒を見てくれたのは、この医者。この人にも世話になった。
今回の手術は、通常の開腹手術ではなく、小さな穴を数個開けて腹腔鏡という細いカメラ・細長い操作器具(鉗子やはさみ、電気メスなど)を使う。