序 章
合格しない生徒とは
頭を柔軟にして新しいことを取り込む気持ち、新鮮な気持ちでチャレンジして成し遂げるという受験生本来のパターンを作り出さないとずっと「自分の領域」でしか勝負できなくなってしまいます。このままでは合格は遠のきますね。
この場合、じっくりと時間をかけて、本人の持っている高くなってしまっているであろう「プライド」を少しずつ下げていきます。
多浪生はいろいろな予備校を渡り歩きいろいろなやり方を知っている(使いこなせるわけではない)ので、どうしてもほかの受験生にマウントを取りたがります。これは仕方のないことかもしれませんが、受験には必要ないことです。
もう一度基本に立ち返って新鮮な気持ちで受験勉強ができるように誘導していきます。
実際にはこの 3 つの要素が複合していることも多く、その他の要因(家庭環境)といった要素も加わるので、慎重に学習環境を整えて合格への学習の最短ルートを提示するようにして、一緒に実行していくことを心がけています。
(従来の)合格体験記が使えない理由
(従来の)合格体験記が参考程度にしかならない理由
合格体験記は受験生からの感謝の言葉以上の意味はありません
当校の合格体験記を見てください。当校から10年連続して国公立合格者が出ている理由、3 年連続で現役生が100%合格(1 次)している理由が何となくおわかりになるかもしれません。
一方、高校で配られる先輩の合格体験記、各予備校から出されている合格体験記もご覧になってください。
どうですか? 感想としては「へー、この子すごいね」といったものが多いのではないでしょうか。
では、その裏話をお話しします。
毎年たくさんの卒業生を送り出してきたなかで、私は受験の前と後で生徒の印象が変わってしまうという感覚を持つことがあります。
つまり、私の中の「受験前の生徒」と「合格した生徒」は多少なりとも別人であるという印象を持つことがあるのです。この年代の生徒は急成長の過程にありますから受験を通して大きく
成長することは間違いありません。しかし、ここでは少し違った観点での印象です。認知バイアスの一種です。どういうことかと言うと、大げさな例で説明します。