序 章

(従来の)合格体験記に書かれていないこと

私は自分の生徒に「合格体験記は生徒の受験生生活の総まとめですから」と趣旨を説明し、好きなように書いてもらっています。

もちろん「自慢話」もありますが、うちの生徒のほとんどは「感謝の気持ち」を書いてくれます。卒業にあたり講師の先生一人ひとりのみならず事務さんにまで感謝の「お手紙」を書いて巣立つ者もいます(素晴らしい医師になってくれると信じています)。

その「合格体験記」とは別に「受験学習記録」を書いてもらっています。これは受験にあたり、どの時期にどんな勉強をどのようにどのくらいやったかの詳細な記録と偏差値の推移、受験の当落です。この記録こそが「合格体験記に載らない本当の合格のノウハウ」です。

この本では、国公立合格を勝ち取った3名のドキュメントを取り上げました。1年の浪人生活の後に合格した者1名と現役合格者2名です。なぜ国公立の生徒しか取り上げていないのかは、当校では全員の最終目標が国公立だからです。

当校では3月から受験勉強をスタートして、夏までは国公立志望者も含めて全員が4科目しか受験勉強をしません。夏に4科目が軌道に乗っていれば国語と社会の勉強を少しずつ追加していきます。

ですからここで取り上げた3名は、順調に仕上がった私の中での「受験生の理想形」です。この勉強で私立大学医学部の勉強も網羅できています。ですから、私立医学部しか考えていない受験生にとっても必ず羅針盤になると思います。

医学部入試システム編

医学部の入試システムについてお話しします。

医学部に入学するには「合格」しなければなりません。その「合格」を手にするルートには①一般入試(含:共通テスト利用)、②推薦入試、③総合型入試、④編入学入試があります。これ以外のルートでは入学できません。

現在の日本の大学の医学部では①はどこの大学でも行われていますが、②~④の入試はすべての大学医学部が実施するものではありません。編入学入試は行わないという大学もたくさんあります。

では一番オーソドックスな入試の一般入試を私立と国公立に分けて説明いたします。