医学部入試システム編

PART 1 私立大学の一般入試

1 1次試験から合格をもらうまでの流れ

その連絡方法ですが大学からの連絡は、ネットでの発表や電話での連絡、また、その両方のスタイルがあります。

大学側にとっても3月末に近づくにつれて定員充足へのプレッシャーもあり、電話口の担当者は「入学するかどうか今日中に決めてください」や「今決められますか」といった焦燥感のこもった発言を多くするようです。

これに対して受験生は、複数校の医学部を受験しますから、正規合格には届かなかったものの補欠合格を確保して「繰り上げ待ち」の大学を複数校持つ生徒も現れます。

3月末になって回ってくる繰り上げ合格の連絡に関して、その時点でどこも受かってない受験生なら喜んで「ありがとうございます。入学します」となりますが、もうすでに進学先を決めている受験生にとっては「辞退いたします」となります。

私の経験上4月に入ってから繰り上げ合格が回ってくる例も数件ありました。一人の生徒は医学部以外の大学に合格し、その大学の入学手続きを済ませて入学式が明日、という状況で繰り上げ合格の知らせを受け取りました。彼は医学部志望ですから、両親にすまないと思いながら繰り上げ合格をもらいました。

ここまでが私立大学医学部受験から合格までの流れの一例です。

2 一般入試の1次試験と2次試験の中身

では、私立大学医学部のテストについてもう少し細かく見ていきましょう。共通テスト利用は後述します。1次試験は筆記テストで学力テストです。

受験科目は一般的に英語、数学(数Ⅲまで)、理科2科目の合計4科目です。すべての大学の1次試験の筆記テストが4科目というわけではありません。

3科目の大学(東海大学、帝京大学)や2科目の大学(金沢医科大学・Ⅱ期日程、兵庫医科大学・後期日程)もあります。