医学部入試システム編

PART 1 私立大学の一般入試

3 共通テスト利用

今見てきた筆記テストの代わりに共通テストを代用するルートもあります。共通テスト利用と呼ばれる制度です。これもすべての大学が実施しているわけではありません。受験生にとっては、各大学ごとに行って1次試験を受験する手間が省けますから使い勝手がよい入試のように思えるかもしれません。

しかし、共通テスト利用で入学できる人の数(募集定員)はとても少ない(5~15名)です。ですからこれも高得点の争いになります。安易に合格できる抜け道的な制度ではありません。

また順天堂大学医学部や日本医科大学のように1次試験の一部を共通テストで代用したりする入試もあります。日本医科大は国語の試験に共通テストを利用します。

また、共通テストの自己採点の結果を見てから出願できる大学(藤田医科大学や関西医科大学)もあります。ただしこれは高倍率になります。

4 東邦大学医学部の「基礎学力試験」と東京女子医科大学の適性検査

東邦大学医学部の「基礎学力試験」は1次試験の中で実施されます。入試要項によると「論理的思考能力・数理解析能力等」とあります。具体的には実際に受験した生徒からの再現問題を見ると、数学の統計や総合適性検査(SPI)のようなものが出題されています。

東京女子医科大学の適性検査も実際に受験した生徒からの再現問題を見ると通常、就職試験に用いられるものと同様です。ただし小論文とセットで行われるのでスピードが大切です。