書いてあることを鵜呑みにし、
「明日から食材を変えてみようと思うけど、我慢できる?」
「我慢する。少しでもがんの進行を抑制できるなら、何でもする」
翌日から、魚や野菜中心の食生活に変わった。油も身体に良いものに切り替えた。
塩分は良くないとも書いてあった。口にする食品は、塩分量がどのくらい入っていて、どういう成分でできているか含量をチェックし、他のメーカーのものと比較して買う癖がついた。塩分の多い食品は買わず、少し高くても塩分の少ない食品を選んだ。
一人で食品の買物に行ったことがなかったため、商品の値段の高い・安いも分からない。買物に行く時は、スーパーの広告に目を通し、買物リストを作り、品物の値段の目安を書いてもらった。
「高かったら、買わなくていいからね。買っちゃだめだよ」
とさんざん言われていた。たまに安価なケーキやフルーツなど余計なものを買って帰ると注意された。少しでも安く購入するため、毎日広告を見る習慣がついた。
月曜日と金曜日は野菜が安い日、水曜日はパン類が安い日など、いつ何を買えば良いかが自然と身に付くようになった。
いつしか、女子力が身に付き、栄養のバランスを考え、摂取カロリーなどを見る習慣が身に付き、食品の相場や買物の楽しさが分かるようになった。
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次回更新は8月19日(月)、16時の予定です。