「毎日、継続することが大切だから、無理せず、明日も頑張ろうね」と言うと千恵は、

「がんになんか負けてられない」そう言ってくれた。

次に睡眠だ。

千恵は、がんの痛みで寝つきが良くないことや朝起き上がることが辛い時がしばしばあった。また、横になっている時間が多くなっていることを考慮し、

「寝ることも一種の治療だと思って、質の良い睡眠ができるようなベッドを購入したら」

と提案すると、

「うん、分かった。週末に一緒に見に行って!」

と言った。私の言っていることを前向きに考えてくれるようになった。以前はそうではなかった。今は、共通の目標を持っている。

その週末、医療用・介護用で使用するベッドを購入した。身体に負担がかからず、自由に角度が調節できることから、痛みで目覚める回数が減り、寝起きも楽にできるようになったと言っていた。

最後に食事だ。

担当医や看護師さんたちは、

「何でも好きな物、食べていいですよ」

と言ってくれてはいたが、信じていなかった。がんを患ってから、栄養のある好きな物を食べさせてあげたいとの一心で、千恵の好きな物やカロリーが高い食物を買って帰り、夕食の食卓に並べた。

がんに効果がある食品の本を読んでいた。魚類、野菜、茸類、海藻などが効果があると書いてあった。千恵が好きでないものばかりだった。