第1章 渚にて

この問題には2つの可能性しかない。

一つの可能性は私が嘘をついていて、しかも警察は私を逮捕したとき、無能なために家宅捜査しても見つけることができなかったということ。

もう一つの可能性は私が真実を話しているということ。

読者には次の事柄を考えていただきたい。いかなる法廷においても私に対し裁判や告発はされていないということだ。

生まれて一度も起訴されたことはないと豪語するマフィアの連中とは違う。彼らはベストを尽くして起訴しようとする検察に法廷に引っ張り出されている。

私の場合、事実検察の誰一人この事件を調査していない。デービットはハーヴェイ・ウィットモアに呼び出され、もし研究ノートを見つけることができなければ、感謝祭の期間ずっと私は拘置所で過ごすことになると言われた。

デービットがあの麻のビーチバッグにきちんと入れられたノートを見つけたとき、深夜であるにも関わらず、慌てて拘置所に持って行ったが、対応した者は彼が何を言っているのかさっぱり分からない状態だった。彼らはデービットを担当警官のいる場所へ行かせた。

以下は私が2015年(もともとは2014年11月17日である)7月27日にハーヴェイ・ウィットモアその他に対し、不法行為に関するRICO訴状として(RICO法:組織犯罪に対抗し被害回復を規定する法律。訳者注)記載した事件の流れである。