第1章 渚にて

私は信頼できた支持者から厳しい批判者に転じたジョン・コフィンと2011年9月22日にカナダ、オタワでの学会で討論し、その議論で明確に勝利を収めた。私の結論として彼に次のように質問した。

「私たちが今までどれだけのマウス白血病ウイルスを作り出したか、ジョン言ってよ。どれだけ?」

この議論はIACFS(国際慢性疲労症候群協会)の2年に一度開催される総会で、科学者が団結して血液製剤に対しマウス白血病ウイルスをふるい分けする診断的テストを実施するかを論じる会議でなされた。

なぜサイエンス誌は患者グループを標的にした詐欺的な論文の公表を急いだのか? あれは協会が実施した研究成果ではなかった。たった15名の患者に関するものだった。

それに私たちが分離した自然界の存在するマウス白血病ウイルスのグループとは関係のない研究室で創られたフランケンシュタイン風ウイルスを使って協会が研究することがあるだろうか?

もしこの恐れていたことが真実ならば、科学者たちはその犯した過ちを認めるために立ち上がっただろうか? 

コフィンのような研究者たちは事を荒立てることはしたくないのだ。誰も立ち上がって、科学はとんでもない過ちを犯し、何百万人もの人に危害を与えたかもしれないと言いたくないのだ。

この不条理はのさばらせてはならない。

他方、この私はというと、ネバダでできたばかりの研究所で働く中年の女性科学者で、男性社会の科学の世界に対し、彼らと彼らの先達がとんでもない失敗をやらかしたと告発しているのだ。