借金地獄アメリカの破壊
学生ローンの不履行は国家予算の赤字に影響する。というのは、すべての学生ローンのほぼ90パーセントがアメリカ財務省により保証されているのだ。
この保証付きローンは銀行、銀行の関係会社、または特別のローンサービスの会社が窓口になっている。財務省の保証はローンが正常な限り、連邦予算では帳簿外になっている。
ローンが返済遅延状態になると貸し手とサービサーが借り手とともに問題解決に動く。支払遅延には猶予期間が認められている。
ある種の公共サービスが介在して、ローン返済の延期や免除に持って行くことがあるし、場合によっては債務の合算によるリファイナンスをして、満期を延長したり月額返済額を減額する。
この手続きが行われる限り、財務省の帳簿には不良債権として計上されることはない。この繰り延べ─―ごまかしというとんでもないことが何年も行われているのだ。
借り手との交渉が最終段階にまで行き、銀行が財務省に支払を求めるケースが増えている。ある段階では、財務省は貸し手の銀行に支払して、サービサーと共に学生ローンを引き受けることになる。
学生ローンの延滞は、2016年大統領選挙の演説でのリップサービスで悪化した。候補者のヒラリー・クリントンとバーニー・サンダースは若い有権者が学生ローンの重荷にあえいでいることを理解していた。
二人とも債務免除とか、新入学生への授業料免除などの様々な救援策を提示していた。選挙公約を聞いたミレニアル世代のうち、クリントンの勝利と債務免除を期待した者達はローンの支払を単純に止めてしまった。