次の場所では、ヴェネツィアのもう一つの名物を見ることになる。ガラス工房見学だ。
ガラスは一三〇〇度以上で溶けるということで中の熱さを警戒していたが、実際はそれほどでもなかった。
日本語でヴェネツィアングラスの製造工程の説明を受け、目の前であっという間に馬が完成した。その後ほぼ当然の流れでお土産ショップのエリアに通されたのだが、私はそこでようやく両親へのお土産を見つけることができた。
合計九〇ユーロほどの、ペアの小さなヴェネツィアングラスのセットだ。
両親は日本の焼き物やガラス細工が好きで、よく晩酌用のお猪口を集めていた。もしかしたら二人の好みではないかもしれない。
だが健康や美容にうるさい二人に、下手なもの、安っぽいものをそこらで購入する方が良くないだろう。
結果、幸いにも両親は私のチョイスに大変満足してくれて、現在でも時々日曜日の夜にお猪口としてヴェネツィアングラスを食卓に出してくれている。
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次回更新は8月12日(月)、11時の予定です。