六 愛の物語の舞台・ヴェローナ、イタリアファッションの最先端・ミラノ

これも余談になるが、ヴェローナ観光から十年以上過ぎたある日、例のポスターを思い出したようにYou Tubeで「ロミオとジュリエット アニメ」で検索した。

すると、あの日から記憶のどこかしらにいたアニメが見事にヒットした。

その感動から約五日かけて全話を鑑賞し、今でも動画配信チャンネルで定期的に二〇〇六年に放送されたそのアニメを見てしまうのだ。

アニメで使われた特殊な言葉が原作のどこで使われているのだろうと調べてみるのも面白く、不朽の名作に対する理解もあの時と比較すればずっと深まったように思う。

また、当時も感じたのだが、異国の地で思いがけず自国のものに出会うことも海外旅行の醍醐味なのだと改めて思うようになった。

七 コモで気付いた思い、本当の恐怖を覚えたその後のミラノ

いよいよ、イタリアに滞在する最後の日が来てしまった。

朝、食事を済ませると、一行は夕方の集合時間までミラノ観光するグループと、添乗員さん同伴のオプショナルツアー組に分かれた。

祖母、Iさん、私は後者を選択し、午前中はコモ、午後の集合時間までミラノで自由行動するグループに入った。

Aさんの運転するバスに揺られ、一時間ほどした後私たちはスイスの国境沿いに到着した。