君のような痛みを離さず抱え続けていれば、

いつか私のような人に出会った時、そばにいてあげられると思っていた。

私だけはわかってあげられる人間でいられると、そう思っていた。

それなのに読み返してみると、どれも納得するものばかり。

満足できてしまうんだよ。

君は死んでしまったというのに。

君の心なら、正しさなんて絶対に書かないだろうし、

そこには優しさもないだろう。

君の心なら、誰も共感できないような、ただひたすら痛い、

自己中心的な詩を叫ぶのだろう。

 

今まで離さず抱えていたのは、あの時の情熱ではなく、

それを誰も相手にしてくれなかったという虚しさの方だった。

どうして死んじゃダメなの?

その言葉がもう出てこない人間になってしまった。

なぜか、わかるかい?

独りだったからだよ。

どうして死んではいけないのか、自分に問い続けたんだ。

気づいたら私は問われる方になっていた。

私しかいなかったのだから、

私が答えを探してあげるしかなかった。

君と、君と同じところにいた私たちにはもう触れてあげることもできない。

死んでしまえばよかった。

わかってあげられる人間でいられる唯一の方法だった。

 

私は、そんなふうに生きている。

私はそんなふうに、生きている。

この情けない詩を誰に聞かせよう。

そいつの手足を縛り、そいつの口を塞ぎ、

そいつの耳を両手で捕まえ唇をそこにあてがい、

そいつの鼓膜が破れてもなお、叫び続けてやりたい。

裏切られた孤独と怒りを、死に損ないの自己中心的な情熱を。

 

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