ここに溶ける

この世界はあまりにもはやすぎる

しかし 今日も一日中何もしていなかった

それなら世界は十分に余っているではないか

いや 間に合わなかっただけさ

私のこと

あいつのこと

この世界のこと

丸ごと全部大切にしたい

どうも間に合わないのだ

 

何通りもの単純をからめ複雑にしている

それをひたすら超えてきた人生は

できないことばかり

見えているものが全てじゃない

なんて言える自信が欲しい

嫌いと言えない性分がそう言っている

伝わらないことの

お互いの許容範囲が

私には見えない

心が通じ合う

それがどこにあるのか

私にはわからない

今日も傷つけないようにいるだけで必死なのだ

 

愛してるよ

 

しかし人に愛を伝える方法は

話す以外にもあるらしく

私はそれが好きらしい

そこに私自身が溶け込んでゆく

まるで暗闇の奥のように

許してくれるような気がする

ほら 好きも嫌いも顔を出していた

これを私の言葉にしてもいいのかもしれない