私の形は、丸く、四角く、三角で

白い丸を描いたつもりが黒い輪になっていた。

揺らめく綺麗な波は向こうとこちらに分ける境界線になってしまった。

空は人がつくった建物でかたどられているし、

私以外の私はエキストラだった。

疲れる。

私の当たり前は相手には気遣いだった。

私の形は、丸く、四角く、三角で

よくカビが生えたり、ふとしたときに花が咲く。

私の形は、相手にはそんな風に見えず

固く、緩く、カラフルで、透明で

好きで、嫌いだった。

 

誰かが怒っていた。

誰かの中の私を見ようと覗いてみると

そこにはドロドロな姿があった。

慌てふためきもう一度目を凝らすと

固く、緩く、カラフルで、透明で

好きで、嫌いで、疲れると吐き出す私しか映らなかった。

どこを覗いても私の心の中だった。

 

傷つけたかったわけではないのに、嫌われてしまった。

嫌われたのは、傷つけたからではないのかもしれない。

あなたはあなたでしょうと言われ傷ついていたのは、

誰かになろうと必死な、自分の形を作れない私だった。