Ⅰ 歴史的概観

1.旧石器時代、新石器時代、青銅器時代(35万年前~前1000年頃)

前13世紀末、ミケーネの主要遺跡はほとんど破壊され、ミケーネやピュロス等の宮殿も破壊を受けて焼け落ち、その後再建されることはありませんでした。

この破壊の原因については、かつては北からのドーリア人の侵攻説、あるいは、この時期にエジプトを攻撃した謎の民族「海の民」などの襲来と説明されることがありましたが、現在ではギリシアが侵略されたという確証はなく、王国相互の内戦や地震、自然環境の荒廃などがからんだ複合的なものと推測されています。

しかし、この大災害は、宮殿が維持してきた政治・経済体制を根底から崩壊させるという深刻な事態を招きました。ギリシアはますます孤立し、過疎化が進行し、ここに青銅器時代が終わりを告げました。