一九九一年にイタリア・オーストリア国境のエッツ渓谷の標高三二〇〇mの氷原で、うつむいた姿勢の状態で見つかった。

紀元前三三〇〇年頃の青銅器時代に、アルプス山麓を闊歩していた男性が、衣服をつけて、所持品も持った状態で、氷原の中からタイムスリップして出てきたのである。

エッツィの身長は一六〇~一六五cm、体重は四〇~五〇kgで、死亡時は四六歳前後だったと推定されている。

エッツィは矢が左肩に突き刺さり、出血多量で人生の最後を迎えたようである。もちろん、五三〇〇年の年月は身につけていた衣服や所持品を風化させて原形をとどめておらず、エッツィは半裸の状態で横たわっていた。

しかし、最後の日のエッツィの姿は残存している物から十分に推測できる。エッツィは毛皮で作られた上着、同じく毛皮でできたストッキングのようなズボン、毛皮の帽子、底革の靴で身体を保護していた。

エッツィが眠る特別室に隣接された展示室に、エッツィの最後の日に身につけていた衣服・所持品が展示されている。

 

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