・診断法 

新経絡治療での経絡特徴としては、肝経の最大実症が多く見られます。良導絡測定値では、肝経・膀胱経・三焦経の左右差が顕著に見られます。

・施術手順 

扁桃七穴への5分間置鍼・冷え取り改善処置・捻れとりをします。瘀血(おけつ)処置と、肝実処置を同時に、5~15分間します。患側の、蠡溝(れいこう)・曲泉・陰谷への知熱多壮灸(7~21壮)をします。両側卵巣に病変がある場合には、両側同所に施灸します。

・自宅療法 

足三里と三陰交と裏内庭の温灸継続と、蠡れい溝こうと曲泉と陰谷の多壮温灸が効果的です。

不妊治療

・概要と私の見解

私の不妊治療の臨床経験からは、女性側だけでなく男性側の治療が必要である事が多いといえます。女性の治療だけでは妊娠に至らなかったのに、男性の治療を並行した場合に妊娠したケースがみられます。

女性側の治療は、生殖器の器質的疾患や機能的疾患の改善が主目的であり、男性側の治療は、精力向上や精子数の増大化が主目的です。

女性側への不妊治療では、機能向上が重要になります。それは、冷えや瘀血(おけつ)や捻れの解消です。日々の冷え取り改善を実践してもらい、瘀血(おけつ)処置と帯脈処置を続けていると、妊娠に至る場合が多く見られます。その理由は、妊娠の仕組みを考えてみれば、ごく当たり前の事だと分かります。

妊娠は、強酸性の膣内を経て子宮から卵管内を遡上した精子と、卵管内を子宮に向かって移動する卵子が、卵管内で合体し、受精卵となって、子宮に着床した状態です。

卵管に捻れがある場合には、精子・卵子ともに、移動の過程で活力を失ってしまう事にもなりかねず、受精しにくくなります。従って、卵管の捻れを取る治療が必要になります。

又、せっかく受精しても、着床した胎盤が、冷えや瘀血(おけつ)による血行不良により、受精卵が成熟するための十分な酸素と栄養分を供給できない状態では、受精卵が育ちにくくなります。従って、瘀血(おけつ)と冷え取り治療が必要になります。

【前回の記事を読む】鍼灸師が腰痛治療と並んで多く扱う婦人科系疾患。治療期間が長期化することも

 

【イチオシ記事】我が子を虐待してしまった母親の悲痛な境遇。看護学生が助産師を志した理由とは

【注目記事】あの日、同じように妻を抱きしめていたのなら…。泣いている義姉をソファーに横たえ、そして…