Ⅲ(2・5・9)の数セット Ⅲ− 1 Ⅱ− 2 に触れた通り、大年神の子は「五神」「二柱」「九神」であるので、ここに(2・5・9)という数セットがある。

Ⅲ− 2 Ⅱ− 3に触れた通り、反正天皇の身長、「九尺二寸半」も(2・5・9)という数セットからなる。

Ⅲ− 3「 美」は古事記では甲類ミ音の唯一の主たる音仮名であり、歌謡・分注を合わせて326例ほどの用例がある。他方、訓字の「美」は16例を数えることができる。

すべて「美麗」「麗美」「美人」という3種類の熟語のみに用いられる。「美麗」が2例、「麗美」が5例、「美人」が9例ある。従ってここにも(2・5・9)という数セットを見いだすことができる。

Ⅲ− 4  咋字は上巻に9例、中巻に5例、下巻に2例を数える。よってここにも(2・5・9)という数セットを見いだすことができる。

Ⅲ− 5 地の文に現れる君字は上巻に5例、中巻に2例、下巻に9例を数える。故にここにも(2・5・9)という数セットを見いだすことができる。

Ⅲ− 6 甲類ト音の音仮名には斗、刀、土、兔の4文字があるが、土と兔は各1例のみである。主たる音仮名は斗であり全41例、次が刀で全17例。歌謡に用いられる甲類ト音の音仮名は専ら斗であり26例を数えるが、刀は1例のみである。従って、歌謡以外では、斗が15例、刀が16例であり、なんと歌謡以外では刀が斗より1例多く用いられていることになる。

そこで歌謡以外における刀の分布を見ると、他の音仮名によって、9例、2例、5例の連続群に分割されて分布していることがわかる。するとここにも(2・5・9)という数セットを見いだすことができる。

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