ある程度の工場では、作業員が「どんな不良なのか、どこなのか……」を製品やメモ紙に書き添えていることもある。このように、必ずやらねばならない手順の他に「もう1つ」ができているかどうかで、実力がわかる。
事例(5) 「不良品置場」を見て「次の改善」へのスタートに!
生産現場には不良品が付きもの。「ない」のは、一見良さそうだが工程能力に対して規格が甘すぎたり、コストダウンの活動が不熱心でギリギリまで攻めていないというケースが多い。
だから、「不良品」を忌み嫌うことには賛成できない。
ポイントは、不良品、手直し品、廃却品を如何に次への改善に使おうとしているかどうか。
「不良品の層別置場」はたくさんの工場でやってきた。
① 中間工程で前工程での不良を発生工程別に並べる。ヒータコアの例(パレットの上に機種別、工程別、日付別、等を層別)。
② 鋳造不良品を現象別、機種別に並べ置く(中国の鋳造メーカーの例)。
③ 鋳造欠陥品を鋳造仕入先ごとに物置台上に並べ置く。廃却許可書を添える。近くには、各仕入先別の不良個数トレンドがわかるグラフを掲示(仕入先各社が月1回来社する時に眺めて、何らかの「心の動き」を期待)。
3 「当たり前」をどうやって伝え、定着させるか!?
これまた、改善の前に現場管理の基本、前提としてキチンとできていたいこと。
ただ、製品が変わり、工程が変わり、設備が変わり、最も大きいのは「人が変わる」。新しい人達に毎回、全員に「当たり前」を教え、伝え、定着するまで面倒を見ているか?といえば、なかなか答えに窮する。