腹部瘀血(おけつ)や、頭部瘀血(おけつ)がある場合には、瘀血(おけつ)処置をします。
月経周期異常の方は、主訴以外にも、腰背部ヘッド氏帯反射としての背筋痛・腰痛を自覚している事が多いので、骨盤矯正を行います。
4 卵巣ホルモン失調症
・施術手順
扁桃七穴への置鍼をします。
足三里と三陰交と裏内庭の施灸の後で、曲泉と蠡溝(れいこう)と尺沢と内関と陰陵泉と子宮穴(中極の外方4指)と石門の多壮灸をします。
胞肓(ほうこう)や秩辺(ちっぺん)付近と簑門付近の、マッサージによる血流改善をします。
脳下垂体前葉にある視床下部の治療が必要な場合には攅竹(さんちく)と天柱と風池と完骨への単刺と、中脘(ちゅうかん)と中極と命門の施灸をします。
・自宅療法
ストレス寛解のために、ネーブル点と築賓の温灸継続をします。
冷え取り改善のために、足三里と三陰交と裏内庭と陰陵泉の温灸継続と、青竹踏みと、ふくらはぎのマッサージと、足湯の励行をします。
交感神経過緊張改善のために、攅竹(さんちく)への指圧と、腹式呼吸の実践をします(鼻から吸って、口から吐きます)。
5 子宮内膜症
・私の考えでは、子宮内膜症の原因は、子宮頸管付近の硬さと捻れにあります。また、臨床経験では、子宮内膜症の患者さんには、仙骨の変位や肩甲間部の頑固な凝りがあり、重度の冷えがある事も多いようです。
・診断法
新経絡治療では、胃経や腎経や三焦経に虚証が多く見られます。
良導絡測定値では、肺経や胃経や腎経や肝経の左右差が大きくなります。
・施術手順
虚証経絡があれば、虚証経絡井穴への虚証の鍼を貼付します。
子宮内膜症の患者さんに多くみられる瘀血(おけつ)塊解消の為、瘀血(おけつ)処置をします。
但し、左肝経又は左肺経に虚証がある場合には、代替処置として肝実処置(長野式)をします。
冷え取り改善処置として、三陰交と陰陵泉の置鍼と、裏内庭を加えての施灸をします。
腰の陽関穴に皮内鍼を保定します。経血量増加を目的とするものです。
貧血防止のために、陰陵泉と内関の施灸をします。
・自宅療法
月経時には、腹部の冷えや上熱下冷(じょうねつかれい)によるイライラが募りがちになりますから足湯を励行し、更に、ホカロン等を使用して、臍部・仙骨部の前後から下腹部を温め、就寝時には腹巻きをする事を励行するようにします。
【前回の記事を読む】全身治療+愁訴を加味してからが腰痛治療の始まり。自宅で温灸をするのも効果的