どんだけ青天の霹靂やねん
2018年9月8日土曜日
この日が勾留期限だったが、また前回同様に、裁判所に連れて行かれた。捜査側から、[勾留延長請求]が申請されたためである。僕以外にも、何人かが順番待ちをしていた。
結局、前回同様、[被疑者が罪状を隠滅すると疑うに足りる相当な理由がある]との捜査側の主張が認められ、18日火曜日までの、さらに10日間の勾留延長が決定した。
オカンは、今度こそ一緒に帰れると思い、朝から大阪に来て待っていてくれたようだが、叶わなかった。
面会者が、拘置所内に入るためには、入り口で、携帯電話やカメラなどの機器、鍵などもロッカーに入れた上で、金属探知機のゲートを通らなければならない。つまり、館内では、携帯電話は使えず、弁護士からの連絡をすぐに受け取ることができない。
そのため、オカンは、拘置所近くのメディカルビルで待機してくれていたのだが、弁護士からの勾留延長決定の報告を受け、泣きながら電車で帰ったそうだ。
「周囲の人達は、どう思てはったやろね」と、後日、オカンは話していた。
オヤジが、自分の座右の銘としている本を差し入れてくれていた。サラ・ヤング著の『わたしは決してあなたをひとりにしない』(いのちのことば社 2013)である。
最初にオカンに言付けてくれたそうだが、手元に届くのに時間差があった。というのは、検閲があるためだ。オヤジは、付箋を貼っていたそうだが、それは全て取り除くように言われた。
付箋や、文中の書き込み(傍線だけでも)は、[メッセージを与える目的にも使われるため禁止]なのだそうだ。
また、本に付いているブックマーク用の栞紐も、(紐類は全て禁止のため)自分で刑務官の目の前で切り取るようにと指示されたそうだ。部屋にトイレはあるが、紙は、自前で用意しなければならない。
それも、売店で売っている指定の[ちり紙]と呼ばれる物のみだ。タオルのサイズも決まっている。石鹸も指定のものを売店で買わなければならない。
僕は、後述するある事情から、しばらく散髪に行っておらず、長く伸びた髪をゴムでくくっていた。今思えば、その風貌も、怪しまれた要因のひとつだったのかもしれない。