【前回の記事を読む】ある日突然人生が一変した。冤罪か、それとも誤解か?―監視と孤独の部屋で綴る、家族への手紙

どんだけ青天の霹靂やねん

2018年10月9日火曜日

僕は、朝から、検察庁に移送され、本件最後の検事調べを受けた。

篠田検事には、それまで常に、曖昧な記憶や行いに関しては、非常に厳しくクールに、説明を求められた。

一方で、僕の思いにも全て、公正な立場で、真摯に耳を傾けてもらった。

調書についても、本件に至る前の、職場でのハラスメントから、極度の睡眠障害に至った経緯、そして、オカンが探し集めて提出してくれた、かつて担当した患者さん達からいただいた礼状や手紙等についても、人情をもって受け止め、明文化してもらえたし、サインをするために、その文章を読み返すと、胸の奥底から、これまで凍てついていたものが溶けて湧き上がるような感覚を覚え、涙が溢れた。

篠田検事は、経緯を確認し、そして、

「不起訴を決定します」と告げた。

「これからも、良き医師として、患者さんのために励んでください」

と、思いやり溢れる言葉をもかけてくれた。

これまでの、打ち砕かれた人間としての誇り、屈辱の記憶は、もはや僕の心身にかたくなに刻み込まれ、完全に拭い去ることは困難かもしれないが、この篠田検事の言葉は、僕のみならず、家族にとっても、人生の救いとなった。

今度こそ、本当に釈放される!大阪拘置所に戻され、また預かり品や所持品の確認と、一点一点に関するサインを行い、長い間に随分な量となってしまっていた本や衣類や布団(季節が変わり、拘置所支給の布団だけでは寒いだろうと差し入れてもらっていた)をカートに積み込み、ゲートに向かった。

一方、オカンは、朝から待機していた近くのメディカルビルで、正午頃に、弁護士から電話を受けた。

着信音が鳴った時には、手が震え、使い古された[心臓が口から飛び出しそう]という表現を、まさに体験し、実感したそうだ。

「今、検事から電話があり、不起訴決定とのことでした。これから拘置所に戻され釈放手続きに入りますので、おそらく、2時から3時には、出て来られます」

との弁護士の言葉を受け、すぐにオヤジにも連絡し、2時前には、ゲートの前に、2人で待っていてくれた。

長期滞在のため(!)大荷物となったカートと共に、僕は、ゲートをくぐり、両親と手を取り合った。