【前回の記事を読む】不起訴決定で釈放されて1週間。解雇されたままの職場から、内容証明郵便が届いた。内容を見ると、[重責解雇]とあり…
どんだけ青天の霹靂やねん
2018年10月17日水曜日
篠田検事から弁護士に連絡があり、押収されたままになっていたパソコンやハードディスク、電子端末等が返却されるため、引き取りに行くようにとのことだった。
途中からサポートしてもらっていた片山法律事務所の棚橋弁護士が、付き添ってくれた。
穏やかで優しい雰囲気の、安心感を与えてくれるタイプの弁護士だ。
今回の件で、弁護士にも、それぞれに専門分野、得意分野があることを知った。
確かに、医者でも、内科や外科、耳鼻科や歯科など、明確に分かれているし、眼科医に整形外科手術は行えない。
そう考えると、納得がいく。
初期段階では、若いエリートで切れ味の良い杉井弁護士が、適任であったと思う。
彼には、上杉病院グループ顧問の加瀬弁護士が、僕の検察調べを中断させて退職を強要した時にも、迅速に対応してもらった。
その後、刑事事件専門の片山弁護士に引き継ぎ、その事務所の棚橋弁護士に、こうして事後のフォローをしてもらっている。片山弁護士は、元・刑事裁判官だ。ヤメ検は多いが、元裁判官は少ない。
「きっと、裁判官側の思考で、良い結果に導いてもらえるだろう」と、うちの親は、その点に賭けたらしい。
後述するが、現在、地位保全に関する委任をしているのは、ベテランの社会派弁護士グループである。
大阪港にあるビルの一室を訪ねた。
コンクリートの何の飾り気もない館内には、待合の椅子一つなかったが、何故か[ゴッドファーザーのテーマ曲]が流れていた。
棚橋弁護士と、思わず顔を見合わせた。
大部屋にはいくつものデスクが並び、雑然とした様子は、よく映画やドラマで見る刑事課の雰囲気そのもののようだった。
入り口で要件を告げると、奥から、税関チームで「上席」と呼ばれていた高井氏と、取り調べにあたっていた学生風の捜査官が出て来て、小部屋に移動した。
高井氏は、昔ながらの人情刑事タイプで、この日はスーツ姿に髪をきちんと後ろでまとめて行った僕の背中をポンポンと軽く叩き、「なんや、スーツ着て」と笑った。
そして、最後には、「仕事に復帰して落ち着いたら連絡くれよ」と見送ってくれた。